ツイッターのヘッダー画像やアイコンイラストが欲しいので絵描きさんに描いて欲しい。
けれど何て依頼すればわからないし相場もわからない。
そんな方向けに、こうすると絵描き側はとてもやりやすいよ!という依頼の仕方をご紹介します。
※普段ソーシャルゲームのイラストや、書籍のイラストを描いている絵描きによる記事です。
目次
準備すること
利用場所・使用用途を決める
ブログのヘッダー画像、SNSのアイコン、動画で使う等。明確な使用用途を決めてください。
何に使うかがわかれば作業のイメージがつきやすく見積もりも出しやすいです。
また、SNSアイコンにしてもどこで使うかURLなどを伝えてくれると大変ありがたいです。
例)自分のTwitterで使います→「@(TwitterID)」
例)こちらのブログのヘッダーに使います→URLなど
依頼者の情報は知っておきたいです。
依頼者は絵描きのことを知っていても、絵描き側は依頼者の事知らないからね。
仕様を決める
イラストの納品サイズやファイル形式などを決める。
仕様用途でサイズや形式が変わる上、絵描き側は「ブログヘッダー画像のサイズ」なんて言われても大抵わからないです。形式についても透過や印刷の有無で変わるため依頼側が指定するようにしてください。
ブログのヘッダー用に使いたい場合最低でも1920*1080pxは欲しいですね。
ファイル拡張子はイラストがどのようなものかで変わりますが、オタク系イラストだとPSD・PNG形式が主流です。
締め切りを決める
締め切りがあることでスケジュールが組みやすいので決めましょう。合わせて作業期間も決めてください。仕様用途や納品サイズなどで作業量は変わりますが、2週間以上は絶対必要です。
最短2週間~(アイコンなど作業が簡単なもの)、最長で1ヶ月~くらいあると絵描き側はありがたいです。依頼するときは自分の中で余裕をもって期間を設定すると良いです。
支払い方法を用意する
基本は銀行振込です。国内系ではあまり無いですがPaypalも持っておくと便利です。支払い用ならビジネスアカウントじゃなくてOKです。
実績公開の可否
完成品を絵描きさんのSNSやWEBサイトで載せていいかどうか、実績として公開していいかどうかの可否です。
こういうの描きました!こういう案件やりました!と今後のお仕事用にアピールでき、ポートフォリオに追加できるので 公開可能にしてくれると大変ありがたいです。
公開OKにする場合は依頼者のブログやSNSへ誘導をお願いしたり、完成品に透かしや低解像度での掲載をお願いしたりすればOKでしょう。
自分の中で予算を決める
相場!わからん!というのが依頼で一番困る部分ですが、絵描きの私も相場わかりません。大真面目に。「安く済ませたい」という思いだけは捨ててください…。
資料を用意する
例えば「帽子を被っていて犬のTシャツを着た女の子」の依頼をしたとします。これをこの文章のみで依頼した場合、絵描き側は描けません。
依頼した側は頭の中でイメージがあるので問題がないように感じますが、帽子といってもハットなのかキャップなのか。キャップにしてもベースボールなのかワークなのか…。
犬のTシャツにしても、何の犬なのか。プリントTシャツなのかデザイン系なのか。
単純に見えてかなりパターンがあります。
明確なイメージがあるならそれを文章+画像の資料を用意しましょう。形式はなんでもいいです。PDFファイルにまとめたり、テキストファイルにまとめたり。
イメージに近いものがあれば画像のURLを載せたり、細かい名称を文章で伝えるだけでもぐっとやりやすくなります。
お金を用意しておく
基本後払い(納品後支払い)が主ですが、いつでもお金は払える状態にしておきましょう。
私の場合になりますが、個人依頼は前払いにしてもらう事が多いです。
書き出してまとめる
1枚イラストを依頼するのに準備するものが多すぎる…!まずは項目を書き出してみましょう。
紙やメモアプリで手書きでもいいですし、文章でとりあえずガンガン書き出してあとで整理します。
内容例
「旅ブログの新しいヘッダー画像、SNSアイコンの変更をしたい。イラストは旅好きの女の子にしたい。」
これを例として依頼内容をまとめてみます。
【手書きの場合】
【文章の場合】
使用用途:ブログ・Twitterのヘッダー/SNSのアイコン/名刺つくる予定なのでそれにも使いたい。
サイズなどの仕様:こちらで用途に合わせて加工するので最低でも2000pxあれば良い?フォトショップを持っているのでPSDファイルかPNG。
締め切り:春くらいには使いたいので3~4月、遅くても夏までには用意したい。急ぎではない。
依頼内容:旅ブログなのでバックパック背負った女の子。 手にスマホ 。高校生か大学生くらいで髪は茶色のボブとか。無地の長袖パーカー。全身は使わないので上半身でOK。
キャラクターのみで背景はなし。
稿料:わからないので見積もってもらう。支払い方法は銀行振り込みで前払い、後払いどちらでも対応。PaypalOK。
実績:公開OK。
上記を依頼メール用に整理すると…
◆使用用途
非商用・個人依頼です。ブログとTwitterのヘッダー用/SNSのアイコン用にイラストをお願いします。名刺にも使う可能性があります(その場合ご連絡します)
こちら側でサイズに合わせてイラストを加工します。(切り抜き、サイズ調整等)
掲載予定のブログURL(URL)
ツイッターID(ID)
その他FacebookやInstagramのアイコンに使用する予定です。
◆仕様
サイズ:縦2000*横2000px以上(必要に応じてサイズを広げたりしてOK)
ファイル形式/解像度:PSD/350dpi(背景とキャラクターのレイヤーをわけてください)
◆締め切り(2月1日に依頼メールを送ったとする)
3月末〆
◆依頼内容
上記使用用途に使うためのキャラクターイラストをお願いします。
バックパックを背負った高校生くらいの女の子をお願いしたいです。詳細はこちらのPDFファイルにまとめています。
(ファイル便などのURL)
◆稿料/支払い方法
上記内容でお見積りをお願いします。
支払い方法は銀行振り込み予定(前払い・後払いどちらでも可能です)
◆実績公開の可否
イラストの公開、文字での実績公開可能です。その場合、完成品に透かしをいれたり解像度を低めにするなどして公開をお願いできると幸いです。
こんなにしっかりと書かないとだめなの?
確認の手間がはぶけるくらいなのでここまでしなくてもいいかも。丁寧でしっかりしているなあという印象は持ちます。
テンプレート
例であげたモノのテンプレートです。必要に応じて変更して利用してください。
◆使用用途
◆仕様
サイズ:px
ファイル形式/解像度:/
◆締め切り
〆
◆依頼内容
◆稿料/支払い方法
◆実績公開の可否
依頼しよう
頼みたい方がいたら記載されている連絡先に連絡します。
依頼は企業のみで個人の有償依頼を受け付けていないという人もいるので、SNSやWEBページなどのチェックはするようにしましょう。
オタク系絵描きの場合、Skebをやっている人なら受け付けている確率は高いと思います。
内容を伝える
以下の内容を伝えます。
・個人依頼であること
・商用利用か非商用か
・使用用途
・イラストのサイズ/解像度/ファイル形式
・締め切りや作業期間
・稿料について
・実績公開の可否
・依頼詳細(初回連絡時はこんな感じのものを依頼したい、という簡単な詳細でもOKです。引き受けてくれる場合改めて詳しい詳細を送るなどと付け加えるなどしましょう)
※依頼詳細のファイルについて
メールにファイルを添付すると迷惑メールに入ることがあるので、グーグルドライブやドロップボックス、その他ファイル便などを利用しましょう。
例としてあげたテンプレートを使って内容をまとめてもOKです。
連絡をするときは挨拶や自身の連絡先などを忘れずに。メールマナーを学んでおきましょう。
件名も「イラストご依頼について」などわかりやすいように工夫してください。
稿料について
これについては本当に人それぞれです。全く想像がつかなければ「見積もりをお願いします」でOKです。
自分が想定している範囲の金額に合わせたい場合は予算として提示したり、受け付ける金額を公開している絵描きさんに頼むしかないです。要相談。
あとは本当に調べまくるしかないですね。
依頼後の連絡
【引き受けてくれる場合】
基本は待つだけです。
注意したいのは、最初に伝えた内容にいろいろ追加や変更をしないようにしてください。ちょっとした要素であれば大丈夫です。その場合の変更の連絡は早ければ早いほど良いです。
アクセサリーの形状変更等(もしくは無くす)
色の変更
キャラクターの性別や種族変更
服装など大きな変更(和服から洋風ドレスにするなど)
【ダメな場合】
諦めましょう。
ダメじゃないけど稿料・スケジュールの問題であれば相談することでOKになることもあります。
納品までの流れ
依頼(正式発注)→作業→ラフ提出(ここで修正等相談)→完成品提出(微調整等修正アリ)→納品
発注したら次にいきなり完成品提出にはなりません。絵描き側は進捗としてラフのイラストをまず提出します。
ラフについて
描き込みの少ないモノクロラフ→描き込んだカラーラフの場合と、いきなり描き込んだカラーラフの場合の大抵2パターンあります。
どういったラフがくるのかは絵描きさん次第です。カラーラフの大半は完成形に近いラフになります。
なお、修正や変更などの要望はラフの工程でするようにしてください。
キャラクターの性別や種族変更
服装など大きな変更(和服から洋風ドレスにするなど)
完成後に 「髪の色は赤のほうがいいかも」「足は曲げるより真っ直ぐが良い」等言われてしまうと該当箇所だけ新たに描き直しとなりしんどいです。(できないことはないです)
ラフの段階で言ってもらえると大変助かります。
また、ポーズそのものを変えたり容姿そのものを変えたりと極端な修正要望はしないようにしてください。絵描きさんによっては追加料金を支払うことで可能になる事はあります。
修正要望の仕方
簡単な修正内容なら文章だけでOKです。例えば手をグーからパーにする、口を小さめに開けて欲しいなど。
ラフに赤ペンをいれたり加筆して「例えばこんな感じです」等してもOKです。
ゴテゴテに魔改造加筆したり、顔そのものを修正したりしない限りは大丈夫です。
全部赤ペン入れられたことあります。
依頼側が描いた方が早いのでは…
修正回数について
絵描き側としては少ない方がいいです。ラフの工程で1回、完成後の微修正で1回程度が個人的には理想です。
修正の程度にもよりますし、依頼の段階で何回までなどと決めるのもアリです。
一発OKが一番ありがたいです。
完成したファイルから納品へ
確認用のファイルのみだったり、OKならそのまま納品できるファイルが送られてきます。
細かい修正要望はしてOKです。
塗り間違えがあり、指摘を受けて逆に助かった例もあるので、何か間違いがあれば指摘するようにしてください。
特に問題がなければ納品となり作業終了となります。
ラフと完成品で雰囲気が変わってしまう事があるので、絵描きさんの作風などはしっかり把握しておきましょう。
ラフと完成が別物すぎるとよく言われる。
ラフはポーズと配色確認のためにベタ塗りだから…。
完成品がアニメ塗りだとだいたいラフの雰囲気のままになります。
スムーズに進めるためのコツ
絵を描かない人にとっては描く大変さや工程がわからないし、稿料の相場なんて想像もつかないので怖いですよね。初回なんかは特に。
その怖さを軽減するため、失敗しないようにするために事前準備とリサーチはするようにしましょう。
依頼したい人を厳選する
この人に頼みたい!という意思はすごく重要です。もし気になる方がいれば個人の有償依頼をやってくれるかどうか一度問い合わせてみるのもいいと思います。
SNSの名前欄に「お仕事募集」などの記載があったり、メールアドレスを記載していたら話を聞いてくれる可能性大です。
過去にイラストの仕事の実績を載せていたり、個人依頼の実績もあれば初心者の依頼主さんでも大丈夫でしょう。
自分で描く
内容伝えたらぽーんと絵が出来上がってくる…と思ってたら間違いです。結構小さいことで悩んだり依頼側と絵描き側で認識の違いがでてきたりします。
なので、自分で絵を描いてそれを資料として添付するのもいいですよ。
何で?絵が描けないから絵描きさんに依頼しているのに?と思うかもしれませんが、棒人間とかそんなもので大丈夫です。
例えばこんな感じでもいいです。通常の資料+αで付け加えるだけでもわかりやすく、進めやすくなります。
2~3割はおまかせで
依頼内容の基本をおさえてくれたら、細かいところはおまかせします!くらいゆるい方がのびのび作業できたりします。
依頼者の思うモノを完璧に表現するのは無理なので、ある程度は絵描きさんの個性を尊重してもらえるとありがたいです。
依頼側はどんな風に仕上がってくるのか楽しみにするのもいいですよ。
相談しよう
ほんの些細なことでも質問すること。質問されたら回答すること。
多分こうかな…と私も勝手に進めてしまうことが多いのですが、もやもやした状態よりちゃんと話して進めたほうが最終的に良い結果になります。
まとめ
項目や注意しなければならないことが多くて大変そうに見えますが、極端に失礼な対応をしなければだいたい大丈夫です。
無償で3日後に納品しろとか言わない限り平気。
あと値下げ交渉とか…断られたのにしつこく連絡するとかね。
不安であれば依頼自体始めてなことを伝えるのもいいかもしれません。
当ブログ管理人(kgr)も個人依頼受け付けてますので何かあればご相談ください!
連絡先(★を@に)→info★shenova.org
ポートフォリオサイト:https://shenova.org/
Pixiv: https://www.pixiv.net/users/2965793
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